長春旧工業地帯振興計画綱要摘要(一)

時間: 2019-01-08 16:32 情報源:
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  長春は東北旧工業地帯の重要中心都市で、我国の社会主義建設と発展の過程において終始重要な作用を発揮してきた。形勢が発展とともに変化するにつれて、旧工業地帯の長期的に累積した体制?構造の矛盾は日増しに目立つようになり、長春経済と社会の発展を著しく制約した。共産党第十六回全国代表大会は明確に東北地区など旧工業地帯の調整と改造の加速を支持し、これは東部沿海地区開放と西部大開発後に続く重大戦略政策決定であった。長春の立場からすれば、これは千載一遇の歴史的チャンスであった。この機会をしっかり生かし、長春旧工業地帯の調整?改造と振興の歩みを加速し、人民生活の水準を高め、全面的に小康社会を建設する目標を実現することは重大な意義がある。国家と省の部署に依拠し、長春の実際と結合し、《長春旧工業地帯振興計画綱要》を編成し、我市旧工業地帯の調整と改造の行動綱領となした。

  一、 長春旧工業地帯振興の基礎および制約要素

  解放初期、長春には幾らかの食料油加工、食品、煙草、機械修理等小型工場と手工業作業場があるのみで工業基礎は相当に薄弱であった。建国後、続々と丹東、上海などからゴム、石綿、保温瓶、ホーローなど大中型軽工業企業が進出してきた。“第一次五ヶ年計画”時期、国家は力を集中して156の重点項目を建設したが、そのなかに我市の一汽、一汽自備電気工場の二つがあった。その後、国家はまた続けて客車、機関車、トラクター、“一二三”、“七九三”、“六三六”、“五一三”、“二二八”など一連の大型工業企業と軍事工業企業を投資建設し、同時に長春地方に電気炉工場など76の国有企業を建設投資し、重工業が主な構造を形成した。1978年、我市の軽工業と重工業の比重は3:7。改革開放20数年を経て、我市工業は急速に発展し、自動車、食品、光電子情報、バイオ、医薬など重点業界は年平均20%前後の速度で逓増し、徐々に基礎が比較的厚く、国有経済が主体を占め、主導産業の特色が明確な工業体系が出来上がった。2002年末、全市工業総生産額のうち、交通運輸設備製造業が78.3%を占め、国有および国株式保有工業が84.4%を占めた。

  (一)振興基礎

  1、総合経済実力を日増しに増強。2002年、全市国内生産総額は1150億元を実現し、全省の51.3%を占め、東北三省の9.9%を占めた;一人当たり平均国内生産総額16300元、全省および東北三省の平均水準よりそれぞれ6065元と5471元高い。全総合財政収入110.2億元、全省の45.0%を占め、東北三省の6.8%を占める。大規模工業総生産額1235.7億元、全省の60.6%を占め、東北四大都市で第一位に位置する。全総合工業増加額は450.3億元を達成し、全省の69.9%を占め、東北三省の9.6%を占める。全社会固定資産投資総額320.5億元、全省の45.9%を占め、東北三省の11%を占める。産業構造は不断に改善し、三次の産業比重は改革解放前の30.8:51.5:17.7から2002年の12.8:45.4:41.8に調整された。

  2、国有企業改革を日増しに深化。産権制度改革と経営システム転換を突破口として、徐々に現代企業制度を打ち立てた。現在、全市で改革を実施した国有企業は222社、そのうち65企業が破産を申告し、39企業が合併され、108社の中小企業が産権制度改革を実現した。合計運用有効資産79.9億元、再就職斡旋職工9.8万人。

  3、対外開放の絶えざる拡大。160数ヶ国および地域と経済協力関係を結び、世界トップ500企業に入る独国フォルクス?ワーゲン、米国IBM、日本トヨタなど29社の多国籍企業が長春に投資した。2002年、全市が実際に利用した外資は6.3億ドル、全省の65%を占め、東北三省の9.5%を占めた。対外貿易輸出入総額は28.9億ドル、全省の77.3%を占め、東北三省の9.9%を占めた。開発区は絶えず大きく発展し、対外開放において先駆的作用を果たし、その利用外資総額は全市の70%以上を占めた。

  4、都市総合サービス機能を不断に改善。都市化水準は絶えず高まり、都市化率は42.7%に達した。都市インフラ収容能力は不断に増強された。都市の一日当たり供水能力は103万トン、供水道管網は1194キロ、汚水処理率66.8%、ガス普及率94.5%、都市熱化率55%。空気質量は基本的に国家二級標準に到達し、緑化覆蓋率39%、都市一人当たり平均公共緑地面積7.2平方米。国内500数都市、世界180数ヶ国と地区との間に直接長距離電話とFAXおよびネット送信を実現した。全市公路総距離は6644キロ、鉄道運営距離6100数キロ、開通国内航空路線39便、年貨物運送量350億トン?キロ、

  (二)比較的優勢

  1、交通運輸設備製造業の目立った優勢。長春は交通運輸設備製造業を主体とする工業体系を形成し、自動車と軌道客車製造業は国内トップの地位にある。一汽は全国最大の自動車生産基地で、大型、中型、軽、高級車など六大系列の産品を有し、2002年自動車販売は58万台に達し、国内市場の18%を占め、全国第一位に位置する。長春軌道客車株式有限公司は全国最大の軌道交通車両生産基地で、鉄道客車、都市軌道交通客車の二台系列産品を有し、そのうち鉄道客車年生産量はずっと安定して国内総需供の48%前後、都市軌道交通客車生産量は全国の90%以上を占める。

  2、農産品加工業の前途は広大。長春は世界三大黄金トウモロコシ地帯の一つに位置し、我国の重要糧食生産地帯である。全市糧食商品量、商品率、輸出量、一人当たり平均占有量などの指標は連続10年以上全国各都市の首位に位置している。牧畜業の発展も迅速で、その生産額は農業総生産額の51.6%を占める。農産品加工はトウモロコシ、大豆、鶏肉、牛肉、豚肉高加工の五大系列を形成し、2002年農産品加工業生産額は301億元に達し、全市工業総生産額の19.3%を占めた。

  3、光電子情報産業は急速発展の基礎を有する。長春には国家級の光電子情報技術研究機構と高等教育機関が集まり、我国で重要な光電子情報技術研究開発、成果移転、人材育成基地となっている。近年、全市の光電子情報産業は年平均30%以上の急速な発展を遂げ、特に光学ディスプレイとその関連産品、光電子材料と機器、光電測定器および設備、国防光電子などの領域で、一定の産業基礎を形成している。

  4、バイオ医薬産業の発展潜在力が大きい。長春には長春生物製品研究所、吉林大学、省中医中薬研究院などの科学研究所があり、バイオ製薬と現代漢方薬の二大優勢がある。全国35種のワクチン産品のうち26種が長春で生産され、全国で批准された18個の遺伝子工学薬品のうち長春で10個を生産、全国88社の胸腺ペプチド生産企業のうち長春に17社がある。自主知識財産権を有するバイオ新薬は11種に達し、A型肝炎ワクチン、インフルエンザ?ワクチン、トランスファー?ファクター、インターフェロンなど市場占有率は国内でもトップクラスである。

  5、科学技術と教育の突出した優勢。長春には独立科学研究機構が101ヶ所あり、国家級重点実験室、開放実験室19ヶ所、各種専門技術人員47万人、両院院士26名、科学技術活動に従事している科学者、エンジニアの人口に占める比率は全国でもトップレベルである。2002年全市で申請された特許は1861件、そのうち発明特許は33.6%、全国平均水準を14ポイント上回る。全市には合わせて普通高等教育学校27ヶ所、在校生19.6万人、毎年社会に全日制高等専門学校以上の卒業生を4万人以上送り出している。

  (三)主要な矛盾と問題

  長春旧工業地帯は多年にわたる改革と発展を経てきたが、体制面、構造面での深層次元での矛盾がなお突出しており、直面している困難は多く、圧力も大きい。主には以下の幾つかの方面をあげられる。

  1、国有経済の比重が高く、企業の歴史的負担が重い。2002年末に、全市国有および国有株式工業企業が大規模企業総数の43.3%を占め、総資産の85.6%を占め、従業人員の71.8%を占めた。国有工業企業の実現生産額は全市工業総生産額の84.4%を占めた。改革制度転換の必要な市と市以下の国有独資企業401社、平均資産負債率127.3%、大規模工業企業損失面37.9%、関連職工18.9万人。企業が社会に負う負担は重く、全市国有企業は社会のために毎年10億元前後を支出する。所有制構造が単一で、国有経済に比重が偏重し、市場競争力が弱く、経済は発展に活力不足を招いた。

  2、企業の技術装備が古く、技術創新能力が高くない。全市の工業技術装備は20世紀90年代の水準に達しているものは18%、70?80年代の水準が65%、さらにいまだ17%が50?60年代の水準のままである。技術センターを建設しているのは57ヶ所で、大規模工業企業総数の9.7%を占めるのみ。企業の科学技術への投資が不足しており、2002年全市企業研究開発投入6.5億元、全市研究開発投入45%を占め、全国平均水準を16.2ポイント下回った。産品の更新交代は比較的緩慢で、類似産品への投資が多く、最終消費産品が少ない。

  3、失職失業問題が大きく、社会保障能力が薄弱。2002年末、全市では失職?失業人員19.4万人、そのうち失職職工16.9万人、失業保険金支給人員2.5万人。将来の5年に、就業を必要としている都市失職?失業人員は28万人に達する予定で、新たに増加する労働力10万人、農村大量余剰労働力が都市に移動し、就業と再就職への圧力が非常に逼迫している。養老?失業保険の当期終始は不均衡で、不足が存在する。保険加入企業の累計保険費未払い13.5億元。集体企業の引退人員への年金未払い累計2.5億元。個人の通帳に支払いがなされないまま運営され、2002年末には全市個人通帳未払いは40.7億元。都市最低生活保障対象は16.1万人、全市非農民人口の5.5%を占める。

  4、経済の外向き度が低く、国際競争に参与する能力が弱い。2002年輸出入総額はGDPの比重の20.8%で、全国平均水準より29ポイント低かった。輸出総額がGDPに占める比重は9.2%で、全国平均水準より17ポイント低かった。全市GDPの全国比重に占める割合は1%超であったが、外資利用はただ全国の0.6%にとどまり、輸出額は全国の0.4%を占めるに過ぎなかった。輸出商品のうち農副産品の占める比重が過大で、トウモロコシ輸出の占める総額が62%、機械電気産品は11パーセントだけ、ハイテク産品が比重に占める割合は2%に過ぎなかった。企業の国際競争への参加能力は大変弱く、国外アウトソージング、海外派遣労働人員と海外進出企業の数は大変少なかった。

  5、農村経済の実力が比較的弱く、“三農”問題が比較的突出していた。都市と農村の二元経済構造の特徴が明確で、農村工業化と都市化の程度は比較的低かった。2002年、四県(市)の三次産業の比重は38.8:28.0:33.2、なお農業が主導で、工業の基礎は薄弱である。農村の第一次産業従事人員が農村労働力の73.2%を占め、全国平均水準より7.3ポイント高い。農業経済構造は単一で、経済効果が薄く、四県(市)財政収入がGDPに占める比重は3%で、全市の9.8%に遠く及ばない。農民の収入増加は緩慢で、主には自家栽培で、自然災害や市場の波の影響を比較的大きく受ける。“三農”問題を解決する力が不足している。

  6、思想観念の転換が比較的緩慢で、発展環境はなお広くない。人々の思想観念は中小農意識で、計画経済の痕跡がなお比較的重く、市場意識は強くなく、発展の思惟が狭く、創業意識も薄い。体制革新と企業制度転換の思想的準備不足で、適応能力が弱い。経済発展のソフト環境も狭苦しい。政府職能転換も遅く、サービス質量とサービス効率も高くなく、“三乱”問題が依然としてさまざまな程度存在し、幾つかの部門では目だって見られる。投資企業の社会的コストが比較的高い。